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下痢

下痢について

下痢になる原因は?

乳幼児の急性下痢で最も多いのは、ウイルスや細菌による消化管感染です。
その他、消化管感染以外の風邪に伴うものや、抗菌薬使用に伴う下痢、アレルギーによる下痢などがあります。

また、2,3週間以上続く乳幼児の下痢の多くが急性下痢に続く二次性乳糖不耐症です。
乳糖不耐症とは、母乳や粉ミルク、牛乳などに含まれる乳糖を分解する酵素である、ラクターゼの活性が低下する病気で、便が酸っぱい臭いのある水様便になります。

下痢

子供の下痢のチェックポイントを教えてください

食事が摂れているか、水分が摂れず脱水になっていないか、という点などが重要です。
以下のチェックポイントにあてはまる場合は、すぐに病院受診されることをお勧めします。

下痢かどうかのチェックポイント

  • 元気がなくぐったりしている
  • 顔面蒼白
  • 手足が冷たい
  • 口腔粘膜が乾燥している
  • おしっこが出ない。色の濃いおしっこが出る
  • 激しい腹痛がある
  • 便に血が混じる

心配いらない下痢・要注意の下痢の見分け方とは?

上記のチェックポイントを参考にして、1つでも当てはまるようなら、要注意の下痢として、病院受診をお勧めします。

市販の下痢止めについて教えてください

そもそも下痢は、生体にとって良くないものを、体外に排出しようとする生体防御反応でもあります。
下痢止めは、腸閉塞になってしまうなどの副作用の報告もあり、感染性下痢では使うべきではありません。

慢性経過の非感染性下痢には使用する場合もありますが、必ず病院でかかりつけの医師にご相談されることをお勧めします。

考えられる病名は何がありますか?

考えられる病気の種類

  • ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、サポウイルス、アストロウイルスなど)
  • 細菌性腸炎(カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌、ビブリオ、ブドウ球菌、ウェルシュ菌など)
  • 二次性乳糖不耐症
  • アレルギー性下痢
  • クローン病
  • 潰瘍性大腸炎

受診のタイミングはいつ頃ですか?

チェックポイントにある症状がおありの方は、すぐに受診をお勧めします。
急な下痢は感染症である場合が多いですので、保育園などに通われている方は保育士さんと感染状況など確認の上、受診していただければと思います。

頻回の下痢や嘔吐をくり返すような場合も受診の目安になります。

正しいホームケアはありますか?

経口補水液について

ここでは急性下痢で最も多い原因である、胃腸炎のホームケアをお伝えします。

胃腸炎で吐き気や嘔吐が強いときは、胃腸が激しく動きやすく、急に水分を摂ってしまうと、すぐに吐いてしまいやすいです。そのため、スプーン1 杯くらいの水分を、こまめに頻回に(症状強い場合は5〜10分おきに)与えると、吐き気があってもほとんど吐くことなく吸収されていきます。

特に吐き気が強いときは、経口補液剤と呼ばれる、点滴と成分が似ているものが良いです。しかし、経口補液でも水分がなかなか摂れないようなら、点滴をしなければいけない場合もあります。

感染対策について

ノロウィルスの場合、胃腸炎を発症した人の便の中には、1g 中に1 億以上のウィルスがおり、乳幼児には、成人の10〜100 倍のウィルスがいると言われています。また、嘔吐したときの吐物には、1g中に100万以上のウィルスがいると言われています。
そして、ほんの十数個程度のウィルス量でも感染が成立し、摂取したウィルス量が多いほうが症状が重くなる傾向があります。

これらのため、便や吐物の処理には注意が必要です。
胃腸炎は接触感染が最も多く、衣類やドアノブや手すり、便座などには注意しましょう。
また排泄後は、トイレのフタを閉じてから流すようにしましょう。