名古屋市中村区の内科・小児科|亀島駅2分
052-459-3312卵アレルギーは、乳幼児で最も頻度が高く出現するアレルゲン(アレルギーの原因)です。
特に乳児の食物アレルギーの原因としては、6割以上を占めます。
食物アレルギーは、典型的には摂取後1時間以内に症状が出ますが、ときおり数時間後に症状が出ることがあります。
蕁麻疹などの皮膚症状の出現率が約9割と最も多く、次いでのどのかゆみや呼吸苦、喘鳴といった呼吸器症状が約3割と続きます。
その他、以下の症状が現れることがあります。
他の食品と比較して鶏卵は、腹痛や嘔吐、下痢といった消化器症状が出現しやすいといわれています。
また、異なるアレルゲンに同じ形をした部分があると、アレルギー症状が出ることがあり、これを交差反応といいます。
鶏卵は、ウズラなどの他の卵との交差性があり、オボムコイドで75%程度、オボアルブミンで80%程度といわれています。
そのため、卵アレルギーがある児がウズラなどの卵を食べたときに症状が出ることがあります。
症状・経過を詳しくお聴きし、卵アレルギーの可能性を検討し、その上で検査をするかどうか判断します。
当院では採血によるアレルギー検査(特異的IgE抗体等の測定)を行っています。
ただ、特に乳児では実際に卵アレルギーがあっても検出できない場合もあります。
このような場合、皮膚プリックテストが診断の手がかりになることがあります。
卵アレルギーのほとんどは、卵白に含まれているアレルゲンが原因です。
オボアルブミンは加熱すると抗原性が低下(症状が出にくくなる)します。 それに対して、オボムコイドは加熱しても残るため、加熱したものを食べても症状が出ます。
原因となる食べ物を食べても症状が出なくなることを、耐性獲得といいます。
日本において、鶏卵の耐性化率は2歳で14%、3歳で30%、4歳で49%、5歳で59%、6歳で66%という報告があります。
経過中のアレルギー検査の値(特異的IgE抗体値)のピークが高いほど、耐性化率が低くなります。
卵アレルギーと診断されても、症状を誘発しない食事量で卵を摂取することで、耐性獲得が早くなります。
この食事量を見つけるのが、食物経口負荷試験と呼ばれるもので、食事量に注意した上で、卵を含んだ食事を進めていきます。
当院では食物経口負荷試験は行っておらず、他院へのご紹介とはなりますが、以下、鶏卵の調理や食事における注意点などお伝えしていきます。
オボムコイドは加熱しても抗原性は残りますが、それ以外は基本的に加熱すると抗原性が低下します。
特に小麦と一緒に加熱した場合、さらに抗原性が低下することが示唆されています。
また、加熱の程度も重要で、20分間ゆでた卵と、12分間ゆでた卵では抗原性が異なるといわれています。
つまり、20分ゆでた卵では症状が出なくても、12分ゆでた卵では症状が出る場合があります。
食品では、かきたま汁、茶わん蒸し、一部のプリン、一部のケーキでは加熱が不十分な可能性があります。
卵ボーロは比較的強い抗原性を持つことが知られています。
これは、一緒に加熱される材料が抗原性に影響している可能性が考えられています。
また、和菓子は餅の部分に卵白が使用されていることが多いため注意が必要です。
卵アレルギーを疑われるお子さまをお持ちの方はぜひ一度当院までご相談ください。
初診・再診とも、WEB予約、またはお電話で受付を行っております。
牛乳アレルギーは乳幼児で2番目に頻度の高いアレルゲン(アレルギーの原因)です。
また、食べ物によるアナフィラキシー(下記参照)の原因として最も多いアレルゲンです。
牛乳アレルギーの症状には、新生児・乳児消化管アレルギー、即時型アレルギー、アトピー性皮膚炎の3つがあります。
新生児から乳児期において、主に牛乳が原因で嘔吐、血便、下痢などの消化器症状を発症する病気です。
時期としては新生児期の発症が多いですが、生後数か月での発症もあります。 原因は牛乳由来の調製粉乳が多いですが、母乳でも発症することがあります。
即時型アレルギーよりも症状が出るのが遅く、摂取後24時間以内に症状が出ます。
治療としては、原因食物の除去が基本です。 乳児期に耐性を獲得することも多く、1歳で半数以上、2歳で9割前後が耐性を獲得するといわれています。
典型的には摂取後1時間以内に症状が出ますが、ときおり数時間後に症状が出ることがあります。
一般的には蕁麻疹などの皮膚症状の出現率が約9割と最も多く、次いでのどのかゆみや呼吸苦、喘鳴といった呼吸器症状が約3割と続きます。
その他、嘔吐や下痢などの消化器症状、頭痛や意識障害といった神経症状、血圧低下や蒼白といった循環器症状などが現れることがあります。
これら複数の臓器にまたがって症状が出たり、血圧が下がったりする場合をアナフィラキシーといいます。
牛乳アレルギーは6歳までに70%が耐性を獲得するといわれていますが、特異的IgE抗体価が高いほど耐性獲得は遷延し、抗体価高値が続きます。
乳幼児期において、牛乳などの食物アレルギーがアトピー性皮膚炎の原因になることがあります。
症状・経過を詳しくお聞きし、牛乳アレルギーの可能性を検討し、その上で検査をするかどうか判断します。
当院では採血によるアレルギー検査(特異的IgE抗体等の測定)を行っています。
食物の中で、特異的IgE抗体が結合するところをアレルゲンコンポーネントといいます。
牛乳にはカゼイン、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリンといったアレルゲンコンポーネントがあり、当院でも保険診療で検査を行うことができます。
牛乳アレルゲンのうち、β-ラクトグロブリンは80℃以上の加熱で抗原性が低下するとされています。
一方、牛乳たんぱく質の80%を占めるカゼインは、100℃でも抗原性が低下しないといわれています。 チーズはカゼインを主原料としており、一方バターは乳たんぱく質の混入は約0.6%と少ないです。
牛乳アレルギーのために乳製品が摂取できない場合は、たんぱく質やカルシウムが不足しやすいため、加水分解乳やアミノ酸乳、豆乳といった代替食品で補ったり、その他の食品(例えばしらすやサクラエビ)などを摂取したりなどします。
牛乳アレルギーを疑われるお子さまをお持ちの方はぜひ一度当院までご相談ください。 初診・再診とも、WEB予約、またはお電話で受付を行っております。
小麦アレルギーは全年齢における原因食物として、3番目に多いアレルゲン(アレルギーの原因)です。
乳児では3番目に多いですが、1歳以降で少なくなり、7~19歳で3番目となり、20歳以降では1番多い(約38%)という、2峰性の分布になっています。
乳児期では多くが初めての摂取で症状が誘発されます。
小麦アレルギーには、小麦を摂取した直後から2時間以内にアレルギー症状が出現する即時型アレルギーや、小麦を吸入することにより症状が出現する、いわゆるパン職人喘息、小麦に接触することで症状が出現する接触性皮膚炎、小麦摂取後に運動負荷が加わることで症状が出現する小麦依存性運動誘発アナフィラキシーなどの症状の出方があります。
症状・経過を詳しくお聞きし、小麦アレルギーの可能性を検討し、その上で検査をするかどうか判断します。
当院では採血によるアレルギー検査(特異的IgE抗体等の測定)を行っています。
小麦の特異的IgE抗体の診断は、低年齢であれば精度が高いですが、年齢が上がると精度が落ちます。
精度が落ちるとは、小麦の特異的IgE抗体値が高くても、摂取可能な場合があるということです。
そのため、小麦の成分(コンポーネント)であるω-5グリアジンも測定すると精度(特異度)が上がります。
しかし、ω-5グリアジンが陰性であっても小麦アレルギーを否定できるわけではないため注意が必要です。
ω-5グリアジンは、耐性を獲得していくにつれて抗体化が低下していくため、経過観察の指標にもなります。
耐性獲得については、3歳時で63.2%という報告があります。
離乳食の初期に、パン粥を与えることがあると思いますが、パン粥には鶏卵や牛乳、小麦と、3大アレルギーがすべて含まれている場合があり、要注意です。
最初に小麦製品を与えるときは、うどんや素麺といった小麦のみを含むもののほうが、アレルギー症状が出たときにも、原因となるアレルゲンがわかりやすいです。
醤油などの調味料には、小麦が微量含まれることがありますが、基本的に除去は不要です。
しかし、塩分などの刺激で、口まわりが赤くなることがあるため、アレルギーと間違えることがあり、注意が必要です。
小麦アレルギーを疑われるお子さまをお持ちの方はぜひ一度当院までご相談ください。
初診・再診とも、WEB予約、またはお電話で受付を行っております。
ピーナッツアレルギーは2~6歳の幼児期で3番目に頻度の高いアレルゲン(アレルギーの原因)です。
食物アレルギーは、典型的には摂取後1時間以内に症状が出ますが、ときおり数時間後に症状が出ることがあります。
蕁麻疹などの皮膚症状の出現率が約9割と最も多く、次いでのどのかゆみや呼吸苦、喘鳴といった呼吸器症状が約3割と続きます。
その他、嘔吐や下痢などの消化器症状、頭痛や意識障害といった神経症状、血圧低下や蒼白といった循環器症状などが現れることがあります。
他の食品と比較して、ピーナッツをはじめとしたナッツ類は、重いアレルギー症状を起こしやすいといわれています。
症状・経過を詳しくお聞きし、ピーナッツアレルギーの可能性を検討し、その上で検査をするかどうか判断します。
当院では採血によるアレルギー検査(特異的IgE抗体等の測定)を行っています。
ピーナッツの特異的IgE抗体は感度は高い(除外する上で有用)ですが、ピーナッツに含まれるAra h 2の特異的IgE抗体のほうが、特異度が高い(診断に適している)です。そのため、これらを組み合わせてアレルギーがあるか検査していきます。
ピーナッツアレルギーの方の20-25%は耐性獲得するという報告があります。
ピーナッツアレルギーは、症状が重症化していく傾向があるため、注意が必要です。
また、ピーナッツアレルギーがある人の約30%に、他のナッツ類のアレルギーがあるとされており、この点についても注意が必要です。
ピーナッツアレルギーを疑われるお子さまをお持ちの方はぜひ一度当院までご相談ください。
初診・再診とも、WEB予約、またはお電話で受付を行っております。
大豆は豆腐や納豆、豆乳、あるいは乳化剤や醤油として利用される、日本の食文化にとって中心的な食物といえます。
そのため、大豆アレルギーのある乳幼児が完全除去を行うことは、ご本人や家族の生活において負担が大きいものです。
本当に大豆アレルギーであるのか、除去が必要なのか、慎重に判断する必要があります。
大豆のアレルギー症状は、大きく2種類あります。
一つは小児に認められやすい、即時型アレルギーやアトピー性皮膚炎です。
食物アレルギーは、典型的には摂取後1時間以内に症状が出ますが、ときおり数時間後に症状が出ることがあります。
蕁麻疹などの皮膚症状の出現率が約9割と最も多く、次いでのどのかゆみや呼吸苦、喘鳴といった呼吸器症状が約3割と続きます。
その他、嘔吐や下痢などの消化器症状、頭痛や意識障害といった神経症状、血圧低下や蒼白といった循環器症状などが現れることがあります。
次に、シラカバ花粉と共通する抗原(Gly m 4)が大豆にあるために生じる、口腔アレルギー症候群があります。
大豆にアレルギーがなくてもシラカバ花粉にアレルギーがあることで、大豆を食べた直後から、口唇や舌、のどの痒みや刺激(チクチク、イガイガ)といった症状が現れます。
特に豆乳は加工食品であるものの、抗原であるGly m 4が多く残存し、また液体のため口腔や咽頭粘膜に接する時間が長くなり、アナフィラキシーが誘発された報告もあります。
症状・経過を詳しくお聞きし、大豆アレルギーの可能性を検討し、その上で検査をするかどうか判断します。
当院では採血によるアレルギー検査(特異的IgE抗体等の測定)を行っています。
ただ、大豆の特異的IgE抗体の診断精度は高くなく、特異的IgE抗体価が高くても、大豆摂取が可能な場合も多くあります。
そのため、症状・経過をしっかりお聞きすることが重要ですし、食物経口負荷試験による確定診断が必要になる場合もあります。
大豆アレルギーは耐性化率が高く、3歳までに約8割が耐性獲得するといわれています。
ただし、過中のアレルギー検査の値(特異的IgE抗体値)のピークが高いほど、耐性化率が低くなります。
大豆アレルギーを疑われるお子さまをお持ちの方はぜひ一度当院までご相談ください。
初診・再診とも、WEB予約、またはお電話で受付を行っております。