睡眠時無呼吸症候群はこんな人に起こりやすい~病院での検査診断と治し方を解説

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(以下、睡眠時無呼吸症候群)とは、睡眠中に上気道の抵抗が増え、いびきや無呼吸を来し、睡眠が障害されたり、日中だるさや眠気といった症状が現れる疾患です。みなさんも時おり耳にすることもある言葉ではないでしょうか。

男性では40~50代から増え始め、肥満とも大きく関係します。女性では閉経後に増え始め、ホルモンとの関連が推察されています。このように男性女性とも、中年~壮年期にかけて起こりやすい病気といえます。

ここでは、睡眠時無呼吸症候群があるとどんな症状が出るのか、合併症にはどのようなものがあるのか、どのような診療の流れになるのか、などお伝えしていきたいと思います。
(なお睡眠時無呼吸症候群には、上気道の閉塞によらないものもありますが、ここでは割愛します。)

起きているときと寝ているときの症状は?

睡眠時無呼吸症候群による症状は大きく分けると、寝ているときに現れる症状と、起きているときに現れる症状の2つに分かれます。

寝ているとき

  • いびきがある
  • 無呼吸の状態がある
  • 睡眠中に起きてトイレに何度も行ったりする
  • 息苦しくて目が覚めたりする

起きているとき

  • 目が覚めたときに頭痛がある
  • 目が覚めたときに爽快感がない
  • 眠くなることが多い
  • 体がだるくなる
  • 集中力が低下する

※起きているときの症状については、訴えがない方が少なくありません。

症状が続くと他の病気が引き起こされることも...。

睡眠時無呼吸症候群を放っておいたままにすると、他の病気を合併しやすくなることがあります。それぞれどれくらいなりやすくなるかというと...。

・高血圧症になりやすくなる
睡眠時無呼吸症候群は、一般人口の約2倍高血圧症を合併しやすくなります。また睡眠時無呼吸症候群の方の50~60%は高血圧症を合併しています。
・不整脈になりやすくなる
睡眠時無呼吸症候群の無呼吸や低呼吸の症状が重くなるほど、不整脈を合併する頻度が高くなります。
・狭心症や虚血性心疾患になりやすくなる
狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患は、一般人口の約2~3倍合併しやすくなります。
・脳血管障害は約3~5倍なりやすい
脳梗塞や脳出血といった脳血管症は、一般人口の約3~5倍合併しやすくなります。
・眠くなりやすくなることによる精神疾患
抑うつ状態や過眠などを来すことがあり、特に抑うつ状態の合併頻度が高くなります。
・行動・認知障害
睡眠時無呼吸症候群があると、日中の眠気やだるさなどの症状が現れ、仕事の能率低下や知的能力の低下、記憶力障害や注意散漫といった症状が現れることがあります。
・突然死のリスクも高い
睡眠時無呼吸症候群による反復する無呼吸や低酸素状態により、命にかかわる不整脈(致死的不整脈)や心疾患などによる突然死のリスクにもなりえます。

睡眠時無呼吸症候群になってしまうその原因は?

大きな理由の一つが肥満です。

睡眠時無呼吸症候群の少なくとも60~70%は肥満と言われており、症状が重くなるにつれ、肥満者の割合が増えます。

もちろん、肥満だけが原因ではなく、下あごが小さかったり、後方に引っ込んでいることによって生じることもあります。

その他、疲労や飲酒、睡眠薬内服は睡眠時無呼吸症候群を悪化させることがあります。

睡眠時無呼吸症候群は完治させることは可能?

睡眠時無呼吸症候群を引き起こしている原因にもよりますが、この疾患は治療により改善しうるものです。

例えば肥満により睡眠時無呼吸症候群の症状が現れている方が、減量することによって症状が改善することはあります。

名駅ファミリアクリニックでの検査・診断と具体的な治療の流れ

診察時に、睡眠時無呼吸症候群の存在を疑う場合は、すでにお伝えした日中・睡眠時の症状があるかないかを問診で確認していきます。

また口腔内や下あごなどを観察し、骨格などによる原因がないかも調べます。

症状の可能性がある場合、専用の検査機器の貸出しも。

その上で、睡眠時無呼吸症候群の可能性がある方には、携帯型終夜睡眠ポリグラフ検査といって、寝ているときの無呼吸・低呼吸、いびき、酸素の取り込み具合(酸素飽和度)などの様子を評価する検査を行います。

この検査は睡眠の質など詳細に判断することはできません。

しかし検査機器をお貸しし、ご自宅で行うことができ、無呼吸・低呼吸指数(AHI)と呼ばれる指標を含めた様々な呼吸動態を評価できます。

AHIは1時間当たりの無呼吸と低呼吸の回数を指し、一晩あたりの無呼吸と低呼吸の回数を睡眠時間で割って算出します。

AHIは非常に重要な指標ですが、年齢や体重、寝ているときに目が覚めたりする覚醒状況などによって数値にバラツキが出ることがあり、解釈に注意が必要です。

このように、まずは携帯型終夜睡眠ポリグラフ検査を行い、その結果によっては、より詳しい検査(終夜睡眠ポリグラフ検査など)のため、専門病院にご紹介させていただく場合もあります。

原因によっては、気道が閉塞しないようにする治療も。

またCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法といって、マスクを介して気道に持続的に圧をかけ、上気道を閉塞させないようにする治療を行う場合もあり、当院でも行っております。

これは日本の保険診療上はAHI≧20で適応を考慮していきますが、より詳しい検査の必要性も含め、総合的に考えていきます。

一方、先ほども書いたように睡眠時無呼吸症候群は肥満が原因で発症されている方が多く、生活習慣病のチェックや、当院の管理栄養士によるアドバイスを行っていく場合もあります。

睡眠時無呼吸症候群の検査や診療をご希望の方はどうぞお気軽にご相談ください。初診・再診とも、WEB予約、またはお電話で受付を行っております。

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参考文献
榊原博樹編集.睡眠時無呼吸症候群診療ハンドブック,医学書院,2010
佐藤公則著.睡眠時無呼吸症候群の診療メソッド―睡眠呼吸障害の集学的治療―,中外医学社,2016
宮崎総一郎編集企画.睡眠時無呼吸症候群におけるCPAPの正しい使い方.ENTONI 191,全日本病院出版会,2016
河合真著.極論で語る睡眠医学,丸善出版,2016

筆者プロフィール

院長:田島光浩

平成19年 信州大学医学部卒業卒後臨床研修の後、平成21年より名古屋大学総合診療科後期研修プログラム(日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医後期研修認定プログラム)にて後期研修を行う。 その間、名古屋大学総合診療科、愛知県がんセンター愛知病院緩和ケア内科、名古屋掖済会病院小児科、名古屋医療センター総合内科などで勤務。平成25年日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医・指導医取得。

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