小麦アレルギーの診断方法と食事の注意点は?

小麦アレルギーは全年齢における原因食物として、3番目に多いアレルゲン(アレルギーの原因)です。
乳児では3番目に多いですが、1歳以降で少なくなり、7~19歳で3番目となり、20歳以降では1番多い(約38%)という、2峰性の分布になっています。
乳児期では多くが初めての摂取で症状が誘発されます。
小麦アレルギーで起こる症状
小麦アレルギーには、小麦を摂取した直後から2時間以内にアレルギー症状が出現する即時型アレルギーや、小麦を吸入することにより症状が出現する、いわゆるパン職人喘息、小麦に接触することで症状が出現する接触性皮膚炎、小麦摂取後に運動負荷が加わることで症状が出現する小麦依存性運動誘発アナフィラキシーなどの症状の出方があります。
小麦アレルギーの診断方法
症状・経過を詳しくお聞きし、小麦アレルギーの可能性を検討し、その上で検査をするかどうか判断します。
当院では採血によるアレルギー検査(特異的IgE抗体等の測定)を行っています。
小麦の特異的IgE抗体の診断は、低年齢であれば精度が高いですが、年齢が上がると精度が落ちます。
精度が落ちるとは、小麦の特異的IgE抗体値が高くても、摂取可能な場合があるということです。
そのため、小麦の成分(コンポーネント)であるω-5グリアジンも測定すると精度(特異度)が上がります。
しかし、ω-5グリアジンが陰性であっても小麦アレルギーを否定できるわけではないため注意が必要です。
ω-5グリアジンは、耐性を獲得していくにつれて抗体化が低下していくため、経過観察の指標にもなります。
小麦アレルギーを治すことはできますか?
耐性獲得については、3歳時で63.2%という報告があります。
食事の進め方と注意点
離乳食の初期に、パン粥を与えることがあると思いますが、パン粥には鶏卵や牛乳、小麦と、3大アレルギーがすべて含まれている場合があり、要注意です。
最初に小麦製品を与えるときは、うどんや素麺といった小麦のみを含むもののほうが、アレルギー症状が出たときにも、原因となるアレルゲンがわかりやすいです。
醤油などの調味料には、小麦が微量含まれることがありますが、基本的に除去は不要です。
しかし、塩分などの刺激で、口まわりが赤くなることがあるため、アレルギーと間違えることがあり、注意が必要です。
小麦アレルギーを疑われるお子さまをお持ちの方はぜひ一度当院までご相談ください。
初診・再診とも、WEB予約、またはお電話で受付を行っております。