更年期障害の原因と症状の見分け方~病院ではどのように診療していく?

更年期障害は、仕事の多忙によるストレス、親の介護、子育てなどが重なる時期に生じる、現代女性にとって辛い症状であると思います。

今回は、更年期障害の症状はどういったものがあるのか、その原因はどういったものがあるのか、などについてご紹介します。

更年期障害とは?

日本産科婦人科学会では更年期障害を、「閉経前後の5年間を更年期と呼び、この期間に現れる様々な症状の中で、他の病気に伴わないものを更年期症状と呼び、その中でも症状が重く日常生活に支障を来すもの」と定義しています。

更年期障害の症状は大きく分けて

  1. 自律神経失調症状
  2. 精神的症状
  3. その他

の3つに分けられます。

自律神経失調症状

肩こりやほてり、疲れやすさ、頭痛などがあります。
肩こりは、もともと若年者であっても筋力が弱く、女性ホルモンによって靭帯が緩むことから、男性よりも女性に多くみられると考えられています。

更年期以降では、筋骨格系の年齢的な変化や様々なストレスにより増加すると考えられています。

ほてりは、2~4分程度続く熱感や発汗で、顔から始まり頭部・胸部・全身に広がります。このとき血圧は変わりませんが、脈拍数が増加します。

閉経または卵巣摘出を受けた女性の6割が経験するといわれ、そのうち日常生活に支障を来すほど重症であるのは約1割と考えられています。

疲れやすさは、あらゆる疾患で認めうる症状ですが、更年期障害でも認められます。他に原因となるような疾患はないか、ストレスはどうか、などを考えていくことが大切です。

精神的症状

情緒不安定になったり、イライラして怒りっぽくなったり、うつっぽくなったり涙もろくなったり、といった症状があります。

その他の症状

腰痛や関節・筋肉痛、手のこわばり、浮腫み、皮膚の乾燥、外陰部の違和感、頻尿など、様々な症状が現れることがあります。

更年期障害になる原因と診断

更年期障害の主な原因は卵胞ホルモン(エストロゲン)の低下で、これに年齢に伴う体の変化や心理的な要因、社会的な要因が複合的に影響することで症状が出ると考えられています。

このため、閉経後5~10年経過して、女性ホルモンが低い状態に適応した後に、ほてりや発汗などの症状が現れたり悪化したりする場合は、ホルモンの影響よりも、ストレスや他の原因を考慮する必要があります。

また、更年期障害と診断するためには、

  1. 不規則あるいは消失した月経
  2. エストロゲンの低下と特に関連の深い血管運動神経症状(ほてり、のぼせ、発汗、冷え、動悸など)を認める
  3. 血液検査で卵巣機能の低下を認める
  4. 他の疾患が除外できる

といったことが重視されます。

更年期障害の症状のチェックシート

更年期障害の症状を評価する方法には様々なものがありますが、以下に挙げるものは更年期スコアと呼ばれるもので、診断の参考にしたり、治療の効果判定に使用したりします。

  症状 症状の強さ
熱感 1.顔がほてる      
2.上半身がほてる      
3.のぼせる      
4.汗をかきやすい      
不眠 5.夜なかなか寝付けない      
6.夜眠っても目を覚ましやすい      
ゆううつ 7.興奮しやすく、イライラすることが多い      
8.いつも不安感がある      
9.神経質である      
10.くよくよし、ゆううつになることが多い      
倦怠感 11.疲れやすい      
12.目が疲れる      
記憶障害 13.ものごとが覚えにくくなったり、もの忘れが多い      
胸部症状 14.胸がどきどきする      
15.胸がしめつけられる      
疼痛症状 16.頭が重かったり、頭痛がよくする      
17.肩や首がこる      
18.背中や腰が痛む      
19.手足の節々の痛みがある      
知覚異常 20.腰や手足が冷える      
21.手足(指)がしびれる      
22.最近、音に敏感である      

このスコアは項目数が多いですが、症状ごとに評価できるという利点があります。

名駅ファミリアクリニックでの診療の流れについて

当院に来院される方は、既に他院で更年期障害と診断されている方もいますが、診断がついておらず、40~50代の女性で、倦怠感が続いていたり、ほてりやのぼせが続いていたりするため来院される方もいらっしゃいます。

そのため問診や診察、血液検査などで、更年期障害やその他の疾患の鑑別診断を行っていくこともあります。

更年期障害の治療としては、漢方薬による治療を行っております。

漢方薬には、ほてりやのぼせ、冷えといった身体症状だけでなく、ゆううつや不安感、夜間覚醒といった精神症状にも有効な場合もあります。

参考文献
日本女性医学会編.女性医学ガイドブック更年期医療編2014年度版,金原出版,2014
JAMA. 2003 Feb 19;289(7):895-902.
日本東洋医学会,「漢方治療エビデンスレポート」

この症状について、診療をご希望の方はお気軽にご相談ください。初診・再診とも、WEB予約、またはお電話で受付を行っております。

筆者プロフィール

院長:田島光浩

平成19年 信州大学医学部卒業卒後臨床研修の後、平成21年より名古屋大学総合診療科後期研修プログラム(日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医後期研修認定プログラム)にて後期研修を行う。 その間、名古屋大学総合診療科、愛知県がんセンター愛知病院緩和ケア内科、名古屋掖済会病院小児科、名古屋医療センター総合内科などで勤務。平成25年日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医・指導医取得。

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