アトピー性皮膚炎の治療のご案内~患者さんにあわせた症状のコントロールを行っていきます

当院の新型コロナウイルス感染対策について

アトピー性皮膚炎は非常にありふれた疾患であり、耳にする機会も多いのではないでしょうか?

アトピー性皮膚炎は、症状が良くなったり悪くなったりをくり返す、痒みのある湿疹を主体とする疾患です。

名駅ファミリアクリニックでは、乳幼児から大人の方まで、アトピー性皮膚炎の治療が可能です。

アトピー性皮膚炎は、患者さんそれぞれの生活スタイルに合わせて、症状をコントロールしていくことが重要となります。

くわしくお話をお聴きしながら、個々の患者さんの生活に合わせ、普段の生活を行いながらセルフケアできるように、治療とアドバイスを行っていきます。

当院では他の病気のお悩みがある場合も、あわせて診療が可能です。

名古屋駅から徒歩8分、亀島駅から徒歩2分の位置にありますので、通勤、通学の途中にもお気軽にお立ち寄り頂けます。

初診・再診とも、WEB予約、またはお電話で受付を行っており、お忙しい方にも時間を指定しながら通院して頂けます。

当院での診療をご希望の方はどうぞお気軽にご相談ください。

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アトピー性皮膚炎の治療で大切にしていること

当院がアトピー性皮膚炎治療で大切にしていることは、個々の患者さまで生活状況が異なるため、その方の生活に根差したケアや治療を行うことです。

アトピー性皮膚炎は慢性経過の疾患であり、その方の生活に負担がかかるようなら治療の継続が難しくなります。

生活視点に立ちながら、悪化因子対策やスキンケア、各種外用薬を使用した治療を行い、症状をコントロールしていきます。

痒み症状が強い場合は、痒み止め(抗ヒスタミン薬)を使用する場合もあります。

しかし感染が疑われる場合や、治療に難渋する場合には、専門の皮膚科にご紹介させていただくこともあります。

名駅ファミリアクリニックでの具体的な治療とケア方法

具体的なアトピー性皮膚炎の治療とケア方法は次のようになります。

  1. 症状が悪化する要因を可能な限り減らしていく
  2. 皮膚を保護する(スキンケア)
  3. プロアクティブ療法で症状をできるだけ抑制していく

の3つになります。

1. 悪化する要因を可能な限り減らす

ここでは主な悪化因子とその対策についてお伝えしていきます。

温度による掻痒(そうよう)

温度が高まると、かゆみを生じることがあります。
特に入浴で悪化することは多く、対策としてはお風呂の温度を40℃以下にしたり、せっけんの使用を最小限度にしたりします。

汗による悪化

汗そのものも悪化因子ですが、汗をかくときは皮膚の温度上昇も同時に起こっており、また日光に当たっていることも悪化因子になります。

タオルなどで汗や汚れを拭き取ったり、洗い落としたりすることが対策になります。

物理的刺激による悪化

皮膚に過度の刺激を与えたり掻きむしったりすると症状が悪化します。

また、シャツの袖口が皮膚に当たったり、前髪がまぶたに触れたりすることも症状を悪化させることがあります。そのためできるだけ皮膚への刺激を避けるようにします。

ストレス

ストレスで皮膚炎の炎症が強くなったり、痒みが強くなったりすることがあります。
ストレスは心理的なケアが必要な場合もあり、慎重にお聴きしていく必要があります。

2. 皮膚を保護するためのスキンケア

スキンケアは、肌の乾燥に対するケアと、既にアトピー性皮膚炎の炎症が起こっている部位に対するケアの2つに分かれます。

乾燥に対するケア

乾燥している肌には、保湿効果の高い塗り薬を使用していきます。

保湿剤は肌が水分で潤っている入浴直後(5~15分以内)が良いですが、時間が経って塗っても効果に差がないという報告もあるようで、塗り忘れずなるべく早めに塗るのが一番です。

1日1回よりも1日2回塗ったほうが保湿効果は高く、症状に応じて塗る回数も考えていきます。

入浴では、皮膚が温まり過ぎると痒みが出てくるため、概ね38~40℃が良いでしょう。
体を洗うときは皮膚を刺激しないように、タオルで皮膚表面を強くこすらず、泡で汚れを取る程度が良いです。

ただしシャンプーやせっけんの洗い残しは症状が悪化する場合があるので注意します。

炎症部位のケア

炎症が起きている部位には、ステロイド外用薬を基本として使用し治療していきます。

この際、炎症の強さと、皮膚炎の部位に応じて塗り薬を使い分けていきます。

炎症がさほど強くない場合(少し赤みがある程度など)は、やさしめのクラスのステロイド外用薬を使用し、炎症が強い部位はより高いクラスのものを使用します。

皮膚の部位によってステロイド外用薬の吸収率に差があります。

陰部が最も吸収率が高く、次いで頬部、首まわり、脇、頭皮、という順になり、皮が厚い足底がもっとも吸収されにくいです。

3. プロアクティブ療法で症状をできるだけ抑制していく

アトピー性皮膚炎の治療方法には、リアクティブ療法と、プロアクティブ療法の2種類があります。

ステロイドなどの塗り薬を使用し、見た目の皮膚がきれいに戻ったように見えても、その皮膚組織を顕微鏡で見てみると、まだわずかに炎症が残っていることがあります。

そのためすぐに保湿剤に切り替えてしまうと、その炎症のくすぶりが再燃してすぐにぶり返すことがあります。

リアクティブ療法は、ぶり返してからステロイド外用薬などを使用していましたが、再燃回数が比較的多く、その頻度も高くなるデメリットがありました。

プロアクティブ療法は、すぐにステロイド外用薬などをやめるのではなく、しばらくは(2~4週程度)2日に1回塗り続け、皮疹が出なければ3日に1回に減らしていきます。

少しずつゆっくりと塗る頻度を減らす治療法です。

リアクティブ療法と比べ、再燃回数が少なく、再燃するまでの期間が長く、結果的にトータルで使用するステロイド外用薬などの量が少なくて済むといわれています。

もし塗る頻度を減らしていく過程でぶり返してしまったら、もう一度連日使用していき、再度1日おきにしていきます。

このような治療方法によって症状をコントロールしていきます。

日々の生活の中で心がけることとは?

日々の生活の中で心がけたいポイントは大きく次の2つがあります。

どのようなときに掻いてしまうか意識してもらう

患者さんと相談していると、痒みが強くなるタイミングが決まっている方がいます。

仕事から帰ってくると痒くなる、とか、お酒を飲んでから痒くなる、とか、家に帰ってから掻くと落ち着くので掻いている、など。

このようにお話をお聴きすることで状況を客観視していただけるようになり、一定のタイミングが見えてきたら、例えば痒くなる1時間前に痒み止め(抗ヒスタミン薬)を飲んでいただくなど対策が取りやすくなることがあります。

爪を短く保ってもらう

当然と言えば当然ですが、爪は長くなると汚れてしまいやすく、清潔に保っていただくことが重要です。

実際の診療では、個々の患者さまの生活習慣に応じて、さらに具体的なアドバイスを交えながらより症状をコントロールしていく治療を行っていきます。

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かゆみがなぜ強くなってしまうのか?

アトピー性皮膚炎には強い痒みが生じることが特徴です。

これは痒みの閾値(いきち)の低下(痒みを我慢できる限界点が低下すること)があるためと言われています。

かゆみは皮膚の温度上昇(入浴や運動、就床、軟膏を塗布した後などによる)や、汗刺激によって生じます。

また羊毛製の衣類が皮膚に当たるときにも生じる場合があります。

何かに集中しているときには痒みは減りますが、リラックスしているときに増えることも特徴です。

痒みがあると、皮膚を掻きむしってしまいやすくなり、掻破してしまうと皮膚炎が悪化しさらに痒くなってしまうという、負のスパイラルに入ってしまいます。

このように痒みはアトピー性皮膚炎の最大の問題といえます。

皮膚のバリア機能低下で起こりやすくなる

アトピー性皮膚炎が生じている皮膚では、皮膚の一番外側の層である、角層の機能障害が起こっています。

角層とは皮膚の表面に存在する厚さ10~20μmという薄い膜状の構造物になっています。

十数層の死んだ角層細胞が落ち葉を敷き詰めるように重なり合っており、その間を埋める角質細胞間脂質により成り立っています。

この角層には、物質が皮膚に浸透する(透過する)ことに対するバリア機能があります。

このバリア機能は、セラミドなどの角質細胞間脂質によります。

アトピー性皮膚炎がある皮膚では、このセラミドの低下があり、水分含有量の低下もみられます。

そのためアトピー性皮膚炎の皮膚は乾燥しています。

アトピー性皮膚炎は、遺伝的要因に加えで、環境要因が重なって発症します。

遺伝的要因としては、例えばフィラグリンと呼ばれる角質の主要な構成成分の遺伝子変異の関連が指摘されています。

フィラグリンの働きは、水分保持や、強度や柔軟性、皮膚のpH調整などたくさんあります。

フィラグリンがない状態では、角層細胞ははがれやすくなり、物質が皮膚に透過しやすくなってしまい、その結果皮膚が乾燥しやすくなってしまいます。

遺伝的要因以外に、様々な発症因子、悪化因子が推測されていますが、個々の患者さんによってその状況は異なります。

小児期の前半では、食べ物や汗、掻きむしったりする物理的刺激、細菌・真菌(カビ)など、小児期後半から成人期では、汗や物理的刺激、細菌・真菌、ストレスなどが影響し、対策が重要です。

他の皮膚病や、合併症のこともあるので注意

ただし、一概にアトピー性皮膚炎ではない、他の皮膚病や合併症の場合もあります。

診断基準が示されているガイドラインを参考にすると、アトピー性皮膚炎は、以下の1~3を満たす場合に診断します。

1.掻痒(そうよう)がある

2.特徴的皮疹と分布

① 皮疹は湿疹病変

  • 急性病変:紅斑、湿潤性紅斑、丘疹、漿液性丘疹、鱗屑、痂皮
  • 慢性病変:浸潤性紅斑・苔癬化病変、痒疹、鱗屑、痂皮

② 分布

  • 左右対称性がある
    好発部位:前額、眼囲、口囲・口唇、耳介周囲、頸部、四肢関節部、体幹
  • 参考となる年齢による特徴
    乳児期:顔、頭に始まりしばしば体幹、四肢に下降
    幼小児期:頸部、四肢関節部の病変
    思春期・成人期:上半身(顔、頸、胸、背)に皮疹が強い傾向

3.慢性・反復性経過(しばしば新旧の皮疹が混在する)

乳児では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上を慢性とする。

医学用語が多く、わかりにくいところもあるかもしれませんが、アトピー性皮膚炎が少しイメージいただけるでしょうか。
しかし、アトピー性皮膚炎に症状が似ている病気はたくさんあります。以下、その一部をお伝えしていきます。

・接触性皮膚炎
いわるる「かぶれ」で、ほとんどの場合、かぶれの元になるものと接触している場所に、境界が明瞭な湿疹ができます。そのため通常全身に病変が分布したり、左右対称になったりすることはまれです。
・疥癬
これはダニ(ヒゼンダニ)による感染症です。指間、体幹の柔らかい部位に、大変強い痒みが伴う丘疹(直径10㎜以下の皮膚のもりあがり)が多発します。掌、足の裏に小さな水疱ができることもあります。疑わしい場合は病変部位をサンプルし、顕微鏡で確認します。
・汗疹(あせも)
多汗症の人や、乳幼児に多いです。エクリン汗腺という汗を出す腺が詰まる(閉塞する)ことによって生じます。頸部や体幹、腋窩などに、数㎜大の紅い丘疹が多発します。汗がたくさん出る状態が改善されると自然に消失することもあります。
・手湿疹
いわゆる「手荒れ」で、美容師や調理師、主婦など、水仕事や手を使う職業の人に多いです。しかしアトピー性皮膚炎がある場合、これを合併していることがあります。
・皮脂欠乏性湿疹
皮膚の乾燥によって生じる湿疹で、冬場高齢者にみられることが多いです。下腿(すね)や前腕、脇腹などに生じやすいです。やはりアトピー性皮膚炎でも合併する場合があります。

これらのように、アトピー性皮膚炎に似た疾患や合併症はたくさんあり、診察の結果、判断が難しい場合は皮膚科へご紹介させていただくこともあります。

名駅ファミリアクリニックは、専門科にとらわれない幅広い診療を行う総合診療科です。

他の症状や体の不調もあわせて診療が可能ですので、総合的に患者様の病気の治療が可能です。

アトピー性皮膚炎について、当院での診療をご希望の方はどうぞお気軽にご相談ください。初診・再診とも、WEB予約、またはお電話で受付を行っております。

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参考文献
一般社団法人日本アレルギー学会アトピー性皮膚炎ガイドライン専門部会作成.アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2015.協和企画,2015
佐藤伸一編.別冊・医学のあゆみ アトピー性皮膚炎UPDATE.医歯薬出版,2016

筆者プロフィール

院長:田島光浩

平成19年 信州大学医学部卒業卒後臨床研修の後、平成21年より名古屋大学総合診療科後期研修プログラム(日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医後期研修認定プログラム)にて後期研修を行う。 その間、名古屋大学総合診療科、愛知県がんセンター愛知病院緩和ケア内科、名古屋掖済会病院小児科、名古屋医療センター総合内科などで勤務。平成25年日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医・指導医取得。

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